歯の予防治療は必要？

「生活習慣病を予防するために運動と食事に気をつけましょう」
こんなフレーズを耳にすることは比較的多いのではないでしょうか。
人生100年と言われる今、病気を未然に防ぐ＝予防するという考え方は当たり前になっています。

その一方で、歯の病気を予防する考えは未だ浸透していません。その理由は、「歯の病気は命に関わることがない」「むし歯になったら治療すれば良い」などさまざまですが、歯の予防治療は他の病気の予防よりも軽視されがちです。

しかし、私達が生まれ持った天然歯は、一度むし歯などの病気になってしまうと、二度と元の状態に戻ることはできません。
もちろん、医学的に治すことは可能ですが、治療のために歯を削ったり、詰め物や被せ物をする必要があるため、完全に元の状態に戻すことはできないのです。

したがって、いつまでも健康な天然歯を守るためには、生活習慣病などと同じように、歯の病気にならないように予防することが大切なのです。

歯の予防治療を受ける3つのメリット

生まれ持った天然歯を守るために必要な予防治療には、歯科医院で受けるプロケアと自宅で継続的に行うセルフケアの2種類があります。

内容としては、歯のクリーニングや歯石の除去、ブラッシングなどに加えて、歯や口内環境のチェックなどがあり、歯科医院によっても治療内容はさまざまです。

こうした予防治療を受けることで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、歯の予防治療を受けることで得られる大きな3つのメリットをご紹介します。

歯の健康寿命が延びる

健康な歯を長く維持し続けられることは、歯の予防治療における最大のメリットでしょう。

そもそも、歯は有限であり永久歯が生え変わることはないため、一度失った歯を取り戻すことはできません。
治療上、修復して歯としての機能を取り戻すことはできますが、歯そのものを復活させることは不可能です。

最初は軽度のむし歯であっても、繰り返し同じ歯に炎症が起きて何度も削れば、やがてその歯は失われてしまいます。
治療を受けた歯は天然の歯よりも耐久性が低いため、治療をしても不具合が出たり、違和感を覚えながら生活したりすることもあるでしょう。

しかし、歯科医院で指導された正しいブラッシング方法で歯を磨き、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けている人は、そうでない人にくらべると年齢を重ねてからより多くの歯を残すことができます。

健康で快適な生活を長く続けるためには、天然の歯を1つでも多く残す必要があります。
したがって、むし歯などにならないよう、予防治療を受けて歯の健康寿命を延ばすことは、大きなメリットと言えるでしょう。

全身の健康維持につながる

最新のさまざまな研究により、歯の代表的な病気である歯周病は、糖尿病や脳卒中、心臓病など他の全身的な病気にも悪い影響を与えることが明らかになっています。

つまり、予防治療を受けて歯周病の発症を予防することは、歯の健康だけでなく、体全体の健康を守ることにもつながると言えるでしょう。

治療にかかる時間やお金の負担を軽減できる

一般的に、むし歯や歯周病は完治させることが難しいため、長期的に治療が必要になります。最初の診察で検査を行い、治療計画を立てて、病状に合わせた治療を行い、詰め物や被せ物を作成して装着するという一連の治療を完了させるためには、お金と時間の両方が必要です。

しかし、予防のために定期的に歯科医院でチェックを受けていれば、病気になったとしても軽症の段階で発見して、早期に治療を始めることができるため、治療費や時間などの負担を軽減できます。

したがって、定期的に歯科医院に通うことは一見面倒に感じるかもしれませんが、長期的に見ると治療にかかる時間やお金の負担を軽くしてくれるため、メリットが大きいと言えるでしょう。

歯医者さんをもっと身近に

日本では歯の予防治療に対する意識が低く、歯科医院は「治療のために行く場所」というイメージが強いです。
しかし、歯は一度失ってしまうと、二度と生まれ持った状態に戻すことができません。

人生100年時代を楽しむためには、他の病気と同じように歯の予防治療を受けて、自分の歯の健康寿命を延ばすことが大切です。

将来、歯やお口のトラブルで悩むことがないよう、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けて大切な天然歯を守りましょう

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